アトピー性皮膚炎には様々な治療の選択肢があり、治療が開始されるまでのおおまかな流れは以下のようになります。
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第2章 アトピー性皮膚炎をきちんと理解しましょう 小学館 : p51、2005より改変
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋
アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインにも記載されていますが、治療目標を持って取り組むのはとても大切なことです。将来、こうなりたいという遠い目標も大切ですが、「この1週間の治療目標はとにかくしっかり薬を塗って、痒みを今の3分の1まで減らしていきましょう」など、今回の治療をなんのためにやるか目標をしっかりと先生と話しておくことが治療を続けるためのモチベーションになります。
古江増隆:臨床と研究97巻3号:284-290,2020
アトピー性皮膚炎には様々な治療の選択肢があり、治療が開始されるまでのおおまかな流れは以下のようになります。
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第2章 アトピー性皮膚炎をきちんと理解しましょう 小学館 : p51、2005より改変
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋
アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインにも記載されていますが、治療目標を持って取り組むのはとても大切なことです。将来、こうなりたいという遠い目標も大切ですが、「この1週間の治療目標はとにかくしっかり薬を塗って、痒みを今の3分の1まで減らしていきましょう」など、今回の治療をなんのためにやるか目標をしっかりと先生と話しておくことが治療を続けるためのモチベーションになります。
古江増隆:臨床と研究97巻3号:284-290,2020
アトピー性皮膚炎の治療の3本柱は以下の図に記したように、「薬による治療」、「スキンケア」、「悪化要因への対策」になります。
この3つを治療の3本柱というのは、互いに支え合って立っているためです。スキンケアをさぼってお薬だけを塗るというように、どれか一つがグラグラしていると、治療の効果が期待できないと考えられています。
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第3章 薬による治療が基本です 小学館 : P58、2005より改変
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋
アトピー性皮膚炎の治療の3本柱は以下の図に記したように、「薬による治療」、「スキンケア」、「悪化要因への対策」になります。
この3つを治療の3本柱というのは、互いに支え合って立っているためです。スキンケアをさぼってお薬だけを塗るというように、どれか一つがグラグラしていると、治療の効果が期待できないと考えられています。
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第3章 薬による治療が基本です 小学館 : P58、2005より改変
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋
● | 抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬 |
● | 生物学的製剤 |
● | JAK阻害剤 |
古江増隆:臨床と研究97巻3号:284-290,2020
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第3章 薬による治療が基本です 小学館 : P58、2005より改変
● 保湿外用薬 | ||
皮膚のバリア障害による乾燥肌を改善するためのお薬です。アトピー性皮膚炎の標準治療のベースとなる治療法です。 | ||
● ステロイド外用薬 | ||
皮膚の炎症を抑える塗り薬で、強さのランクによって塗る部位がガイドラインで定められています。症状が強い時には、皮膚の炎症を抑えるために、十分な量をしっかりと塗る必要があります。 | ||
●免疫抑制外用剤 | ||
免疫抑制剤という種類のお薬の外用剤で、アレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用により、皮膚炎の赤みやかゆみを抑えます。ステロイド外用剤の副作用が出やすい顔面や首などに使われることが多いお薬ですが、全身どこでも使えます。カルシニューリン阻害薬に加えて、最近ではJAK阻害薬の外用が用いられています。 |
● 抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬 | |
飲み薬として服用します。今ある痒みを抑える作用が主体です。このお薬はアトピー性皮膚炎以外に、花粉症やアレルギー性鼻炎、結膜炎、喘息などのアレルギー性疾患の治療でも使用されるため、他のアレルギー性疾患で病院を受診するときには、現在、すでに薬を服用していることを医師に伝えましょう。 | |
● 免疫抑制剤 | |
臓器移植で用いられる免疫抑制剤を少なめの量で内服します。かゆみを抑える効果が抜群です。外用で用いるステロイドも内服で有効ですが、副作用のことを考えて、シクロスポリンAが、よく用いられます。 | |
● 生物学的製剤 | |
アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚の内部で免疫細胞が産生している物質の働きを抑えます。それによって、皮膚の炎症を抑え、かゆみや皮疹などの症状を改善するお薬です。 | |
●JAK阻害剤 | |
アトピー性皮膚炎の症状に関与する複数のサイトカイン(IL-4,IL-13,IL-31など)という物質の働きを抑えてかゆみや皮膚の炎症を抑えて効果を出すお薬です。 |
古江増隆:臨床と研究97巻3号:284-290,2020
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第3章 薬による治療が基本です 小学館 : P58、2005より改変
スキンケアはアトピー性皮膚炎の治療の一つですが、症状が出ている、出ていないに関係なく行う必要があります。アトピー体質の人の皮膚は、症状が出ていない時や出ていない部分でも刺激に対して敏感な状態のため、スキンケアをしっかりと行い、皮膚のバリア機能をキープする必要があります。
●スキンケアの基本は、「適度な」清潔
皮膚の表面についている皮脂などのカスや汗、ほこり、日焼け止めの成分などを、刺激の少ない洗浄料とぬるま湯で洗い流して、皮膚の清潔を保つようにします。
1日1回入浴し、汗をかいたときや夏の朝はできれば、シャワーで汗を洗い流しましょう。
汗をそのままにすると、アトピーの悪化要因になります。ポイントは皮膚に刺激を与えない「適度な」というところです。
● | 体を洗うのは手か柔らかい木綿のタオルかガーゼで |
● | ナイロンタオル、スポンジ、ボディブラシは刺激があるのでNG |
● | 髪や顔、体についた洗浄料はきれいに洗い流す。髪の生え際には、洗顔料が残りやすいので注意しま しょう。 |
● | 熱いお湯はNGです。目安は38〜40度のぬるま湯に20分以内 |
● | お風呂から出るときは、ぬるま湯のシャワーを全身に浴びて、ほてりを冷ましてから、柔らかいタオルで押さえるようにして水分を拭き取ります。 |
●スキンケアの仕上げは、「すばやい」保湿
入浴やシャワーをした後は、間髪入れずにすぐに保湿をします。目安は10分以内です。
保湿のコツは、皮膚がまだ湿っているくらいの状態で、手早く保湿薬などを塗ることです。洗顔や入浴の直後は、皮膚の角質層が水分を含んで膨らんだ状態になっているため、保湿成分が内部に吸収されやすいと考えられています。
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第3章 薬による治療が基本です 小学館 : P58、2005より改変
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋
スキンケアはアトピー性皮膚炎の治療の一つですが、症状が出ている、出ていないに関係なく行う必要があります。アトピー体質の人の皮膚は、症状が出ていない時や出ていない部分でも刺激に対して敏感な状態のため、スキンケアをしっかりと行い、低下している皮膚のバリア機能を補正する必要があります。
●スキンケアの基本は、「適度な」清潔
皮膚の表面についている皮脂などのカスや汗、ほこり、日焼け止めの成分などを、刺激の少ない洗浄料とぬるま湯で洗い流して、皮膚の清潔を保つようにします。1日1回入浴し、汗をかいたときや夏の朝はできればシャワーで汗を洗い流しましょう。汗をそのままにすると、アトピーの悪化要因になります。ポイントは皮膚に刺激を与えない「適度な」というところです。
●体を洗うのは手か柔らかい木綿のタオルかガーゼで
●ナイロンタオル、スポンジ、ボディブラシは刺激があるのでNG
●髪や顔、体についた洗浄料はきれいに洗い流す。髪の生え際には、洗顔料が残りやすいので注意しましょう。
●熱いお湯はNGです。目安は38〜40度のぬるま湯に20分以内
●お風呂から出るときは、ぬるま湯のシャワーを全身に浴びて、ほてりを冷ましてから、柔らかいタオルで押さえるようにして水分を拭き取ります。
●スキンケアの仕上げは、「すばやい」保湿
入浴やシャワーをした後は、間髪入れずにすぐに保湿をします。目安は10分以内です。保湿のコツは、皮膚がまだ湿っているくらいの状態で、手早く保湿薬などを塗ることです。洗顔や入浴の直後は、皮膚の角質層が水分を含んで膨らんだ状態になっているためで、保湿しないで30分以上放置すると入浴・洗顔前より乾燥してしまうからです。
江藤隆史 : おとなのアトピー 治療とライフスタイル〜メイク術まで 第3章 薬による治療が基本です 小学館 : P58、2005より改変
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋
お薬や毎日のスキンケアと併せて、アトピー性皮膚炎の治療で重要となるのが、日常生活の中でアトピーを悪化させている要因を見つけて、少しでもそれらを排除する対策を立てることです。
● | 日常生活の中によくある悪化要因 |
● | 触れたものに対するアレルギーによる悪化要因 |
● | 吸入アレルギーによる悪化要因 |
● | 汗への対応 |
具体的な日常生活で アトピー性皮膚炎を
悪化させないための工夫については、
「日常生活に関するQ&A」 のコーナーに
記載していますので併せてご覧ください。
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋
お薬や毎日のスキンケアと併せて、アトピー性皮膚炎の治療で重要となるのが、日常生活の中でアトピーを悪化させている要因を見つけて、少しでもそれらを排除する対策を立てることです。
● 日常生活の中によくある悪化要因 | ||
唾液、汗、髪の毛の接触、衣類との摩擦などの日常生活での非特異的な刺激でアトピー性皮膚炎が悪化することがあります。 | ||
● 触れたものに対するアレルギーによる悪化要因 | ||
外用薬、化粧品,香料、金属、シャンプーやリンス、消毒薬などを触ったことでアレルギー反応あるいは刺激反応を起こし、皮疹が悪化することがあります。 | ||
● 吸入アレルギーによる悪化要因 | ||
幼児期以降のアトピー性皮膚炎患者さんでは、ダニや室内塵、花粉、ペットの毛などの環境アレルゲンによって悪化することがあります。 | ||
● 汗への対応 | ||
汗をかいて放置すると皮膚に刺激となるため、かいた後の汗は放置せずにシャワーを浴びたり、おしぼりなどで優しく拭き取ったりすることが大切です。また、汗で濡れた衣類を着替えるなどの対策も必要です。ただ、汗をかくことは極めて健全なことです。アトピー性皮膚炎が悪化すると、汗が出にくくなります。よく汗をかいた後は放置せず、すぐふき取ることが重要と言えます。 |
具体的な日常生活でアトピー性皮膚炎を悪化させないための工夫については、
「日常生活に関するQ&A」のコーナーに記載していますので併せてご覧ください。
アトピー性皮膚炎ガイドライン: 日皮会誌, 128 (12) : 2431-2502、2018より抜粋